2008 |
01,26 |
«(仮)影の世界»
「君は何処から来たの?」
子供特有の高く舌足らずな声が人のいない公園に静かに響いた。
その声の主である5歳になったばかりの悠紀は目の前で一緒に砂場にいた子供に話しかけた。
二人の間にはこんもりと砂山ができている。
「悠紀と近くて遠い所。」
そう答えたこちらも5歳くらいであろう少年は子供らしくなくはっきりとした声で答えた。
その子供は紅い髪と紅い瞳をしている。
さらに人間離れをした美しい顔をしていた。
その少年の謎かけのような答えに悠紀は首を傾げた。
「それじゃわからないよ、ほーちゃん…」
ほーちゃんと呼ばれた少年はニコニコと笑顔で悠紀を見ていた。
「悠紀、誰と話しているの?」
突然、後ろから話しかけられた。
後ろを向くと近所に住んでいる、悠紀と同い年の男の子、駆だった。
「え、何言ってるの?この子だよ…」
そう言って向き直すとそこには誰もいなかった。
-続く-
子供特有の高く舌足らずな声が人のいない公園に静かに響いた。
その声の主である5歳になったばかりの悠紀は目の前で一緒に砂場にいた子供に話しかけた。
二人の間にはこんもりと砂山ができている。
「悠紀と近くて遠い所。」
そう答えたこちらも5歳くらいであろう少年は子供らしくなくはっきりとした声で答えた。
その子供は紅い髪と紅い瞳をしている。
さらに人間離れをした美しい顔をしていた。
その少年の謎かけのような答えに悠紀は首を傾げた。
「それじゃわからないよ、ほーちゃん…」
ほーちゃんと呼ばれた少年はニコニコと笑顔で悠紀を見ていた。
「悠紀、誰と話しているの?」
突然、後ろから話しかけられた。
後ろを向くと近所に住んでいる、悠紀と同い年の男の子、駆だった。
「え、何言ってるの?この子だよ…」
そう言って向き直すとそこには誰もいなかった。
-続く-
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